内服薬による男性薄毛の治療

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男性薄毛に対する内服薬治療

男性薄毛の主な原因が、過剰な男性ホルモン分泌であることが明らかになり、抗男性ホルモン薬による治療が行われるようになりました。男性薄毛は、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)が、毛母細胞に作用し、髪の毛がコシやハリを失い、抜け落ちてしまうことにより引き起こされます。内服薬によりDHTの産生を抑え抜け毛を抑制し、薄毛を改善させます。

抗男性ホルモン薬の開発

薄毛治療薬は、抗男性ホルモン剤で抗アンドロゲン剤として分類されています。男性ホルモンが引き起こす前立腺疾患の治療薬として開発され、開発当初は前立腺肥大の治療薬として承認されました。その後、男性薄毛AGAの治療薬としても効果を有することが分かり、適応が拡大されました。

男性薄毛の特徴

過剰な男性ホルモンは、前頭部や頭頂部の毛髪に特に感受性が強く、進行すると側頭部や後頭部を残して、前頭部と頭頂部で毛髪が薄くなる特徴的な髪形になります。さらに進行すると、側頭部や後頭部の毛髪も、抜け落ちてしまうことがあります。

薄毛治療薬の内服

薄毛治療薬を服用する場合は、正しい服用方法を守ることが大切です。基本的に服用する時間に制限はありませんが、毎日忘れずに同じタイミングで服用することが大切です。飲み忘れが多かったり、服用する時間帯がバラバラだったりすると有効成分の血中濃度が変動しやすく、十分な効果が得られません。自分が忘れないタイミングで結構ですので、必ず服用してください。また自己判断で薬の量や頻度を減らすと効果がなくなることがありますので注意してください。

初期脱毛について

服用を開始して3週間ほど経ち、抜け毛が増える現象を初期脱毛と言います。飲み始めてから抜け毛が増えるために、薄毛治療薬によりAGAが進行したと心配する方も少なくありませんが、これは誤りです。初期脱毛とは、成長期が短くなった細く柔らかい髪の毛を押し出すことを意味しており、新しくハリやコシのある健康的な髪の毛を生育するための重要な過程です。毛母細胞が健康的な髪の毛を成育させるための準備と理解してください。初期脱毛は、ずっと続くわけではなく、2~3か月ほどで落ち着きます。その後、健康な毛髪が生育してきます。

プロペシアによる男性薄毛の治療

プロペシアは、AGAの進行を抑える薬です。前頭から頭頂の毛根に存在する酵素Ⅱ型5αリダクターゼ(5α還元酵素)の働きを抑制することで、テストステロンがAGAの原因であるジヒドロテストステロンに変化するのを防ぎます。プロペシアは効果が現れるまで半年ほどかかるとされています。すぐに効果が現れないからといって服用を中断せず、6カ月程度は服用を続けることが大切です。

ザガーロによる男性薄毛の治療

ザガーロは、プロペシアと同様の機序でAGAの進行を抑える薬です。5αリダクターゼの働きを抑制することで、テストステロンがジヒドロテストステロンに変化するのを防ぎます。ザガーロは5αリダクターゼのⅠ型とⅡ型両方を抑制するために、プロペシアと比較して効果が高いことが知られています。またザガーロは血中での残留時間が長く、体内のDHT値がより下がり易いため、高い薄毛改善効果が期待できます。

頭皮の血流改善による薄毛治療薬

頭皮の血流改善し、薄毛を改善させる治療法も開発されています。頭皮の血管を拡張させて血流を増加させることで、髪の成長に必要な栄養分を毛母細胞に届けます。これにより毛根が活性化し、髪の成長が誘発され毛髪の再生が促されます。

ミノキシジルによる男性薄毛の治療

ミノキシジルは、頭皮の血流改善が認められ、増毛効果があると考えられます。当初高血圧の治療薬として開発されましたが、血管を拡張させる効果により、頭皮の血行が改善され、毛根に栄養を行き渡らせ発毛効果を発揮することが分かり、育毛剤として使われるようになりました。日本では、主にミノキシジル外用薬が薄毛に用いられています。ミノキシジルは医療用に加え、含有量5%までのものであれば、薬局でも買える市販薬としても販売されています。

内服薬による男性薄毛の治療のリスクやデメリット

  • 服薬の副作用として、勃起不全や性欲減退が報告されています。
  • 精液量減少が起こることがあります。
  • 肝機能障害を生じることがあります。
  • 抗男性ホルモン薬は、妊娠中や妊娠の可能性のある女性が触れたり、粉砕された薬の粉を吸い込んだりすることは危険を伴います。
  • 内服薬を中止すると、再び抜け毛が増えて、薄毛が進行していくことがあります。